[2011/11/09]
■“あなたに今会えたら”っていう気持ち、もうそばに行って大きな声で歌いたい、っていう気分
AMWE :初めて、この声をレコーディングした時は何にも欲はなかったんですけど、その後に地震(東日本大震災)がきてしまったので、自分にとってもすごく心に鳴り響いて止まない曲になった。
レコーディングが終わった直後ぐらいがちょうど地震があったときだったので、ヴィーナスさん(カワムラさん)に「ヴィーナス元気?お疲れ!」って、言いに来ることもできず、“しぶや花魁”に行けば彼女に会える、スタッフに会えるって思ったんですけど、ゆっくりお疲れ会をする間もなく、自分の中に出来上がったこの作品が何回も何回も流れて。
私も今年東京に出てきて、元々出身は名古屋なので、名古屋のみんなが本当に元気にしているだろうか、または仙台や、災害に遭われた人たちが気になって、“あなたに今会えたら”っていう気持ち、もうそばに行って大きな声で歌いたい、っていう気分になりましたよね。
カワムラ :そう。こちらはリミックスアルバムなんですけど、この曲の入っているアルバムそのもののリリース日は、4月29日だったんですよ。震災から一か月とちょっとで。その時のtwitterの書き込みで「時代の変わり目にこの曲か。」っていうのを見て、私本当に涙が止まらなくて。 この10年間の輝きと、失望であり希望であり、様々なものを、やっぱり自分はダンスフロアを生きてきた作詞家だと思ってるので、そこに対してもっと自分への思いと恩返しみたいなものをこの曲に込めたかったんですよね。
AMWE :震災以降ってやっぱりクラブにもね、外国人のDJが来なくなっちゃったでしょ? 放射能だったり、いろんな影響だったり、クラブシーンは災害の影響でもちろん営業もできなかったですし。もうこのままどうなっていくんだろう、世界基準で張り合ってプレイしている日本のDJたち。☆TAKU TAKAHASHIさんもそうだと思うんですけど、すごい不安になったと思うんですよね。私もライブが何本も中止や延期になりましたし、自分のオリジナル曲も今年は上手く制作に入れなかったので、気が付いたら自分には一曲だけ、この震災で、必死に握っていた曲が「ロンドンは夜8時」だったんですよ。
カワムラ :彼女の仲良くしているファッション系の人たちが、チャリティパーティーをしたんですよ。その時に彼女が、この曲を初めて歌ったんです。まだ発売前、できたばっかりの時だから、それも印象的だよね。
AMWE :そうですね。もういろんな想いがあって、私も震災の後だったのでイベントに出ることもずっと「ちょっとやめましょう」って言ってたんですけど、ドネーションを募るということで、ヴィーナスさんも洋服をいっぱい持って、ファッション系だったのでお洋服をね。
カワムラ :コム・デ・ギャルソンとかバンバン出しましたよ(笑)。
AMWE :オークションにかけて現金にしよう!っていう方法だったので。そこにスタッフがCDを持って駆け付けてくれたので、私もスタッフにわがまま言いまして、「本邦初公開だからお願い!」って、私はDJでたまたま行ったんですけど、イベントの最中に歌わせていただいたりとか。
■その生き方は道なき道を行くということ
カワムラ :本当に、追い打ちをかけるように、クラブシーンっていうものに対して風営法などが今とっても厳しいんですよ、特に関西の方とか。
AMWE :名古屋も本当にね。若いDJの子たちがみんなで一生懸命集ってイベントをね、盛り上げているにも関わらず、やっぱり風営法のことで早い時間に閉まってしまう。
カワムラ :ロンドンでも「クリミナルジャスティス」っていう、数人で踊っていたら捕まるような法律があって、社会から若者や踊る人たち、ダンスミュージックが大好きな人に対しての弾圧がすごく強くて。
まさに今ロンドンが若者の間でもすごく注目されているエリアだと思うんですけどね。
そこにもすごく意味があって、歌詞に“スクワッドのパーティー”とか、“パイレーツレディオ”っていう言葉が出てくるんですけど。聞きなれない言葉だと思うんですけど、倉庫をジャックして秘密でパーティーをするんですよね。そこで“初めてキスした”2人ってどういうことかというと、そういう人生を選んだ、ってことなんですよ。そこまでして音楽を愛することを胸に刻んで初めてキスを交わしている、っていうその生き方は道なき道を行くということもそこに含まれている。
パイレーツレディオっていうのも、出来たばっかりの曲が続々とかかるようなラジオがあって、法律はありますけどそういう、音楽に対しての作り手と聴き手という自由の中で成立するラジオを仲間と聞いているという、そういうことをかつて私も体験しましたし、それを表現したかったんだよね。
AMWE :私も割とそういう中で遊んでいて、この曲を懐かしいって歌える自分が嬉しかったんですよね。ヴィーナスさんの方が歳は上だから、もっとそういうコアなパーティーをしてきた世代なんですよね。でも私も気が付いたら海外の友達の、バンドやってるアーティストの子から「○○っていうバンドの新しい音源もらったんだよ。聴いてみな。日本盤はまだ2ヵ月先だよ」って言われてCDをみんなにもらったりとか、そうやって先輩に曲を教えてもらったりそういう音源をかけてパーティーをしてたり、そういうところで恋をしたり、離れちゃったり。そういうことがいっぱい繰り広げられているところで私もギリギリ遊んできた。だからヴィーナスが懐かしい、懐かしいって繰り返してくれることが、世代としてギリギリ分かったことも嬉しかったし。
カワムラ :そういった体験や経験も彼女の歌の力にすごい出てるし、パフォーマンスにも出てるんですよね。だから是非この曲たちもライブで観てほしいし、もしこれをきっかけにしてクラブやダンスミュージックに興味を持ってくれる人がいたら、本当に気軽に遊びに来てほしい。全然怖いところじゃないし、すごく楽しいところだから。
AMWE :そうですね。
カワムラ :それと、音楽を作るということを自然発生的にナチュラルにやるってことの大切さとか、そういうことをちょっと思い出して欲しいと思うんですよ。
このリミックスアルバムに参加してくれている人って、もちろんそうそうたる方々なんですけど、ジャパニーズポップスのシーンでも活躍している方もいらっしゃいますし、SOTTE BOSSEやi-depのナカムラさん、柴咲コウさんの「wish」っていうアジエンスのCM曲を作ったLanguageも、みなさんもう十年来の仲間なんです。
ナカムラさんやLanguageの掛川さんは実際にロンドンにお住まいになってて、TOBYさんも海外を飛び回ってた方、そして環ROYくんも国内外で活躍している今一押しのラッパーで元気のある方。私がやっている“しぶや花魁”にみなさん来てくれて、この曲のことを「いいよね~。俺もこういう体験したよ~!」とか夜な夜な語り合って、自然発生的にできたリミックスアルバムなんですよ。
音楽の作り方として、すっごく自然な形だと思う。だからやっぱり結果を残したいですね。みんなの為にも。
AMWE :そうですよー! 私もAMWEという存在は最初にヨーロッパの方で活動することも多かったので、日本人のアーティストとフューチャリングするってことはあまりしっかり考えていなかったんですけど、今回は本当に皆さんに声をかけさせていただいて、i-depのナカムラさんには「やってくださいよ!どうしても参加してもらわないとダメです!」ってこちらから言ってしまったっていう感じで。
カワムラ :本当にみなさんお世話になって。それから環ROY くんというラッパーとフューチャリングしてるバージョンが入っているんですけど、そこでラップを共作しました。環ROY くんも初めてのことでしたし、私も初めてのことでした。
忘れられないフレーズが、"キミにあげたブートレグは今でもまだ そこにあるか?"。「ブートレグ」は海賊版という意味なんですよ。秘密で作ったレコード。それが2人の生き方だったんじゃないのかな、というのと、“サイレンが音を止めた 僕らの自由 奪われてくパーティ” というフレーズもすごく印象的ですね。
AMWE :ROYくんも、最初twitterで私が「こんなのやってるんだ」ってつぶやいたら、twitter上で「俺にもやらせてくれ!ラップさせてくれ!」って言っていたので、もうそれからすぐ電話して、…便利ですよね今。すぐメールがきて、電話番号とEメールアドレスがあったんだけど、そんなこと電話でごちゃごちゃ喋っててもわからないから、今から会って話そう!って言ったその日に制作に入ってますから。
カワムラ :twitterやリアルでね、アーティストがそういう風にしてコラボレーションが生まれているのがすごく面白いと思う一曲ですね。
AMWE :本当に!
かしこみ :通して聴いてみても本当に色んな個性がぶつかり合って、でもちゃんと曲の世界は壊れてないですもんね。それがすごいと思います。
カワムラ :是非みなさんダウンロードして聴いてもらいたいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
かしこみ :ありがとうございました!
インタビュー後の写真は外にて。どの場所か当ててみてください!
VIDEO
次回のライブ
12月3日(土)21時~
TCY RADIO vs mangalife presents The Big Party
出演 : ☆Taku Takahashi (m-flo / TCY Recordings / block.fm), AMWE, KISSY SELL OUT, DJ OMKT 他
入場料 : 3000円 e+ 2000円(別途1D)
会場 : CCOクリエイティブセンター(大阪名村造船所)
イベント詳細 :
http://iflyer.tv/namura/event/93509
AMWE(アムウィ)
ファッションブランドDIESEL が主催する世界的な音楽コンテスト『DIESEL:U:MUSIC』 2009 JAPAN WINNER。イギリス、フランスで開催された『DIESEL:U:MUSIC 2009 WORLD TOUR』に参加。このツアーではTHE BIG PINK、BREAKBOT、ANNIE MAC 等と競演。 フランスで最も有名なファッション誌『JALOUSE』の「東京カルチャー特集」において「新たなポップアイコン登場!」と大きく取り上げられる。また『ELLEJAPON』創刊300 号における「エルが選ぶ 300 人のキーパーソン」にM.I.A.、LADY GAGA 等と並んで選出されるなど、デビュー前より海外プレスからの注目を浴びる。 国内においても『DIESEL:U:MUSIC』2009JAPAN WIINNERとして SUMMER SONIC、WIRE といった大型フェステバルに連続出演。 My Space を通してコンタクトしてきたフランスのプロデューサー・チームKITSUNE のフック・アップによりDigitalism、Phoenix 等を生んだ人気コンピ・シリーズの最新作『KitsuneMaison 8』 に「Friction Between The Lovers」(デビュー・アルバム M5)が収録される。これは同シリーズ初の日本語詞楽曲という快挙。2010年、iTunes がブレイク間違いなしと大 PUSH する「SOUND OF JAPAN 2010」に選出!2010年9月セカンド・アルバム『GILS』をリリース。