ログイン  | 新規登録
歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

TOP > 歌詞 > 卒業の味噌汁ライス
卒業の味噌汁ライス

アーティスト:山本 正之  アルバム:SOLO弾きの夜  作詞:山本正之  作曲:山本正之  発売年:2012  品番:BXCA1021

  • お気に入り登録




私はカレーライスが大好きです ハヤシライスも オムライスも大好きです そして友情のハムライスなんていう 歌を作って喜んでいたら もうひとつ大事なライスを 思い出しました 舞台は変わって 昭和四十五年四月の世田谷区駒沢 駒沢というからには当然 駒沢大学経営学部経営学科の教室 「あ~あ本百姓体制下の 水呑み百姓の研究なんつう授業 つまんねえなあ~」 とブスくれていたら 後ろに腰掛けていた一人の学生が 話しかけて来た 「ほんと、つまんねえよな、 もう昼飯喰いにいくべえ」 「午後は体育、剣道だから 早く支度しなきゃ 師範の突き食らうしなあ~」 髪はアイビーカット マダラスチェックのシャツに ブルージーンズ サーファーなのかと思わせる 小麦色の頬 「ああそうしよう、 オレ山本、よろしくね」 「ああオレ逢坂郁生よおしくね」 逢坂の文字は恋人の逢引に逢うに 登り下りの坂、坂で逢うと書く まるで究極超人あ~るのような 苗字です 郁生くんなので呼び方はいくちゃん 今日のお客様方には 大変耳慣れた呼び名 でも私の人生の 交友関係の歴史の中で この逢坂いくちゃんが、 初代いくちゃんです 「さあ終わったゝゝ、 中三元で麻雀だあ」 この頃の私は三河の侠骨雀士と いわれたほどの、 いえウソ、ただの麻雀ずき 大谷くん水出くん 堀口くん逢坂くんそして私 今日は五人打ちだから、 二抜けだなあ (注釈、 麻雀は4人で行うゲームであり 5人集まってしまった時は、 最初の半チャンはジャンケンで、 次からは第2位の人が抜けて 見学をします。 これを、二抜け、と申します。) 勝った日はタクシーで帰って 中華三幸の肉入り野菜炒めライス 負けた日は30分歩いて 大家さんからもらったお餅を一個 私は大勝ち大負けの差がある ムラ気なタイプ いくちゃんは メンタンピン狙いの堅実派 彼は時々ホンダのバイク CB72に乗って登校し その度に私を中町の下宿まで 送ってくれる 「まあ上がって一杯…、 玄米茶でも飲んでいくかい?」 そして飯喰ってくかい? 泊まってくかい? なんて仲良しになった 池袋の石原くん直伝のハムライスを 振舞ったこともあれば いくちゃんが家から スキヤキのお肉を 持って来てくれたこともあった 春の宵はレコードを聞いて、 夏の真昼は共用冷蔵庫の氷をかじり 秋の夕暮れは黙って本を読み、 冬の夜更けは私がギターを弾いた 強く心に残っている、 彼の一言がある 卒業試験の勉強を徹夜でした夜明け 私がモヤシだけ入れて作った 味噌汁のかけご飯を食べてくれて あああ、まーちゃんこれ、うまいよ やがて卒業のセレモニーも過ぎて 麻雀五人組は 銀行や市役所へと就職していった 友と別れる事の淋しさよ
 投稿者のコメント
2011年10月、秋川キララホールにて発表された曲です。


投稿者: machine
プチリリ再生回数:27





日本語English

利用規約プライバシーポリシー許諾情報運営会社お問い合わせヘルプ
© 2024 SyncPower Corporation


Page
Top