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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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2018.2.7

歌詞データから2018年のヒット曲を予測! キーワードは3つ、「大丈夫」「笑う」そして…




データサイエンスLAB.

プチリリを運営するシンクパワーは、昨年より「データサイエンスLAB.」という新組織を立ち上げ、歌詞データや蓄積した再生ログデータからさまざまな分析や研究を行っています。
今回は、その「データサイエンスLAB.」が分析したレポートをご紹介します!


<歌詞データ>
シンクパワーは、約260万曲を超える国内最大級の歌詞データベースを構築しています。歌詞の種類としては邦楽や洋楽、メジャーのみならずインディーズの歌詞まで幅広く取り揃えていることから、現在の人気の指標としての信頼性が有り、分析結果の説得力にもつながると考えています。

<再生ログデータ>
保有する歌詞データはシンクパワーが運営する歌詞サービス「プチリリ」だけでなく、約20社の30サービスへも提供しています。その利用実績から一つのサービス形態に留まらない、幅広い音楽シーンでの利用状況をリアルに反映した再生ログデータを蓄積しています。

今回、これまでに蓄積した膨大なデータを用いて、「2018年にヒットする曲」を予測しました!

【概要】
今回、過去4年間の再生情報から、歌詞の単語利用状況の分析を行いました。
1年ごとの変化にフォーカスをあて、2018年の人気傾向を予測します。

【対象データ】
2014年~2017年の「プチリリ」の年間ランキングTOP200を対象としました。
プチリリランキングは、シンクパワーが運営する「プチリリ」ほか自社アプリと、歌詞データを提供している提携事業者の音楽サービスを含めた、「音楽再生とともに歌詞が再生された数」を集計期間内に合算・集計したランキングです。4年間の総再生回数は約42億回にもなります。

プチリリ年間ランキング2014年  プチリリ年間ランキング2015年
プチリリ年間ランキング2016年  プチリリ年間ランキング2017年

集計のポイント

歌詞の利用状況を集計するにあたり、形態素解析による分かち書きを施した歌詞データを元に、自立語に絞って集計をしました。
単純な単語の頻出度のみではなくシンクパワー独自のチューニングを行い、より再生実態に近い集計をしました。

■楽曲の再生ログデータの利用
例えば、ランキング上位の楽曲と下位の楽曲で同一回数単語が出現した場合に、通常では2つの単語は同等と判断されてしまいますが、実際には再生された回数に差があるため同等とは言えません。

その差を検出する方法として、プチリリでの再生ログデータを反映しました。
それにより、同じ出現回数であっても、より再生数が多く、多くの人の耳目に触れている単語のスコアが高くなります。

■TF-IDF特徴量の利用
楽曲を連想する際に、楽曲の始まりから終わりまで全てを思い出すことはなかなか難しいものです。
普段聴く楽曲の中でもサビの部分や心に響く表現が記憶に残りやすく、その部分こそが楽曲自身を印象づけるものと言えます。

今回、その印象的な部分を機械的に取り出す方法としてテキストマイニングの分野で利用されているTF-IDF法を採用しました。
集計を行った年ごとに1位から200位の歌詞でTF-IDF特徴量を算出し、歌詞に含まれる単語の特徴量を抽出しました。

特徴量を単語のスコア加算の際の係数として利用することで、歌詞の中でも単語に強弱がつき、より「見られている単語」となるようにチューニングしました。

分析

集計データからさまざまな単語を取り出し、この4年間に出現する数の変化を見てみると「特に変化のない単語」「だんだんと出現頻度が下っている単語」「出現頻度が上がり続けている単語」があることがわかり、そこにヒット曲となる要素があると考えました。したがって、今回の分析では、「出現頻度が上がり続けている単語」の中から、今年さらに上昇傾向があると予測できるワード3つをピックアップし、対義語や関連ワードも含めた考察を行い、2018年にヒットする曲を予測してみました。

1、安心感を与えてくれる「大丈夫」
「大丈夫」は「悩んで」というワードと対照的に推移し、2016年から一気に上昇傾向(前年比110%増)にあります。 厚生労働省の調査では、ここ10年で様々なハラスメントの相談件数が年々増え続けているという結果が出ています。対人関係のトラブルが増えていく世の中、「大丈夫」と声をかけてくれる楽曲はリスナーの心に安心感を与えてくれる存在となり、それが多くの人に支持されているのではないでしょうか。


※独自のアルゴリズムによって算出した単語の影響度の積算を「point」と表記しています

■使われている人気曲
『あなたがここにいて抱きしめることができるなら』 miwa
  “あなたはあなたのままでそのままで 大丈夫 私がいるよ”
『RAIN』 SEKAI NO OWARI
  “雨が止んだ庭に 花が咲いてたんだ きっともう大丈夫


2、涙を誘う恋愛ソングはもう古い?「笑う」
「笑う」「泣く」(「笑って」「泣いて」などの近辺ワードも含む)両ワードとも上昇傾向にありますが、「笑う」は「泣く」の約2倍以上に急増しています。
表現方法としては西野カナ、back numberの歌詞のように、気になっている、大事にしている人のことを想う気持ちとして使われることが多いです。
2010年代前半の「着うた」ブーム時に「泣きうた」と言われる涙を誘う恋愛ソングが流行りましたが、ここ数年のヒット曲はその逆を描写している曲が多いことが読み取れます。



■使われている人気曲
『ヒロイン』 back number
  “雪が綺麗と笑うのは君がいい でも寒いねって嬉しそうなのも”
『好き』 西野カナ
  “君が好きだと気づいたんだ そんな事言ったら笑うかな”


3、2015年から一気に急上昇「楽しい」
「寂しい」(「淋しい」などの近辺ワードも含む)は年ごとに上下に推移していますが、「楽しい」は2015年から一気に急上昇(前年比204%増)。今年もさらなる上昇が予測されます。

また、「楽しい」と一緒に考察したいワードが「踊る」です。
「踊る」も「楽しい」と同じように2015年から一気に急上昇(前年比211%増)しています。
星野源『恋』、米津玄師『LOSER』、荻野目洋子『ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)』、E-girls、三代目J Soul Brothersなど、ここ最近のヒット曲や人気アーティストは、一緒に踊りたくなる、真似したくなる曲が多い傾向があります。
リスナーは音楽を聴いて楽しむだけでなく、一緒に踊り、その動画をSNSにアップして拡散、そこからヒットにつながる曲が増えていることがこの結果から読み取れます。





■使われている人気曲
『SUN』 星野源
  “何か 楽しいことが起きるような 幻想が弾ける”
『ごめんなさいのKissing You』 E-girls
  “楽しいこと想像して ポジティブMyself 歩いていこう”

予測結果

分析結果から上昇傾向の3つのワード「大丈夫」「笑う」「楽しい」が入っている曲がヒットするという予測のもと、選んだ曲はこの2曲です!

『やってみよう』 WANIMA
  “あたらしい 楽しい 悲しいときは 笑って”

『明日も』 SHISHAMO
  “ダメでも 毎日頑張るしかなくて だけど金曜日が終われば大丈夫”
  “周りの人は笑うけど 笑いもせず ただ 見せてくれる”

昨年の紅白歌合戦にともに初出場したスリーピース(3人組)バンドWANIMAとSHISHAMO。この2バンドの昨年CMタイアップとなった話題曲には注目の3ワードが歌詞に登場します。WANIMAの『やってみよう』はとてもわかりやすいワードで構成されている歌詞と、躍動感あふれるメロディが特徴的な1曲。SHISHAMOの『明日も』は、つらいことが多い毎日だけど、週末に楽しいことが待っているから明日も前を向き頑張っていこう!というメッセージが込められている1曲です。
この2曲に共通しているのは「ポジティブで元気になる」歌詞ということ。注目の3ワード「大丈夫」「笑う」「楽しい」という言葉から連想される雰囲気を見事に表現している曲です。

ネガティブなニュースも多い昨今ですが、WANIMA『やってみよう』のような流れただけで笑顔になれる曲、SHISHAMO『明日も』のような一歩踏み出せる曲がよりヒットすることで、世の中が明るくなると素晴らしいですね。
2018年、街に流れる曲の歌詞に今回注目した3ワードが入っているか、ぜひ意識して聴いてみてください!

あとがき

シンクパワーは、歌詞アプリ、Webサイトの運営や提携サービスへの歌詞提供のみでなく、AIスピーカーをはじめとするIoT機器など新たなデバイス向けの提供、「歌詞先読み機能」などの音声サービスにも積極的に歌詞サービスを広げています。

また、今回の分析・予測を行った「データサイエンスLAB.」では、保有している歌詞データと再生ログを活かした、歌詞からのレコメンドエンジンの開発に取り組んでいます。
歌詞とさまざまなデータをかけ合わせて分析することで、音楽配信サービスのプレイリスト作成や、注目ワードを意識した新曲の企画、トレンドの分析など、制作・マーケティングなどに活用いただけるツールを提供していく計画です。

カスタマイズにも応じられますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【問い合わせ先】
株式会社シンクパワー
データサイエンスLAB. 佐藤
メディア戦略室 岡
MAIL:info@syncpower.jp


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