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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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ニーナ

アーティスト:矢野 絢子  アルバム:ナイルの一滴  作詞:矢野 絢子  作曲:矢野 絢子  発売年:2004 

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その椅子は木で出来た丈夫な椅子 こげ茶色のクッション木彫り花模様 肘掛 背もたれの両端には小さな赤い石 それはそれは美しい木の椅子だった その椅子を作ったのは椅子職人の爺 さん 曲がった腰慣れた手つき鋭い目 出来上がった椅子があんまり美しか ったので 死んだ妻の名前をこっそり入れたの さ 店先に置いた椅子はすぐに客の目に 留まり やって来る客についつい爺さん「売 り物じゃない」という 何人めかの客が来てしばらく話し 爺さんはついに言った「売りましょ う」と 椅子は大きな屋敷の大きな広間に置 かれた 毎夜止まぬ音楽と夢のようなダンス の日々 主人はいつも椅子の前に座り椅子に は いつも美しいドレスの女が腰掛けた (♪) 時は砂のように流れ屋敷は古びてゆ く 主人が椅子だけを眺める日々が続い た 美しいあのドレスの女は現れなかっ た 音楽はやみ主人は立ち上がった ある朝椅子はたくさんの家具とトラ ックに乗った 椅子は海を渡る旅をした 揺れる揺れる船の底荒い波の音 夜更けにかすかに聞こえるピアノの ワルツ 少しだけくたびれた椅子を乗せて 旅を終えた椅子は一人暮らしの老婦 人の元へ いつもきちんとした身なりパンを上 手に焼く 飼っている猫は灰色の老猫で 椅子の上に丸まって婦人の話をよく 聞いた 話しはもっぱら夫の話 もう十年もあちこち旅をしてる 愛しい人の手紙を少女のように猫に 聞かせる (♪) 婦人の足が悪くなり日がなベッドで 横になる 傍らにはいつも椅子と灰色猫 何度も同じ手紙を大事に大事に読み 返す よく晴れた昼下がり眠る婦人の枕元 一人の男が現れた 古びた椅子に座り古びた婦人の手を 握り そして眠る婦人にそっと口付けした のさ 猫はナァナァないていた
 投稿者のコメント
ストーリー仕立ての大作です。 歌詞の表示もそれにあわせたつもりです。


投稿者: postino
プチリリ再生回数:438





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