ログイン  | 新規登録
歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

TOP > 歌詞 > 現代謡曲全集2_高砂
現代謡曲全集2_高砂

アーティスト:梅若六郎 

  • お気に入り登録




猶いつまでか生きの松 それも久しき名所かなそれも久し き名所かな ワキ  「 里人を 相待つ所に。 老人 夫婦来たれり。 いかにこれなる老人に尋ぬべき 事の候。」 シテ  「 こなたの事にて候か 何事にて候か。」 ワキ  「 高砂の松とは 何れの木を申し候ぞ。」 シテ  「 ただ今木陰を清め候こそ高砂の 松にて候へ。」 ワキ  「 高砂住の江の松に 相生の名あり。 当所と住之江とは国を 隔てたるに。 何とて相生の松とは申し候ぞ。」 シテ  「 仰せの如く 古今の序に。 高砂 住の江の松も。 相生のやうに覚えとあり さりながら。 この尉はあの津の国 住吉の者。 これなる姥こそ 当所の人なれ。 知る事あらば 申さ給へ。」 ワキ   ふしぎや見れば老人の 夫婦一所にありながら 遠き住みの江高砂の 浦山国を隔てて住むと いふはいかなることやらん ツレ   うたての仰せ候や 山川万里を隔つれども 互いに通ふ心づかひの 妹背の道は遠からず シテ  まづ案じても御覧ぜよ シテ  高砂住の江の 松は非情の物だにも 相生の名はあるぞかし ましてや生ある人として 年久しくも住吉より 通い慣れたる尉と姥は 松諸共にこの年まで 相生の夫婦となるものを ワキ   謂れを聞けば面白や さてさてさきに聞こえつる 相生の松の物語を 所に言ひ置く謂れはなきか シテ  「昔の人の 申ししは。これはめでたき 世のためしなり。」 ツレ   高砂といふは上代の 万葉集の古への義 シテ  「住吉と申すは。 今この御世に住み給ふ 延喜の御事。」 ツレ   松とはつきぬ言の葉の シテ  「栄えは古今 相同じと。」 御代をあがむるたとへなり ワキ   よくよく聞けば有難や 今こそ不審はるの日の シテ   光やはらぐ西の海の ワキ   かしこは住の江 シテ   ここは高砂 ワキ   松も色添ひ シテ   春も 長閑に 地    四海波静かにて 国も治まる時津風 枝をならさぬ御代なれや あひに相生の 松こそめでたかりけれ げにや仰ぎても こともおろかやかかる代に 住める民とて豊かなる 君の恵みぞ有難き君の恵みぞ有難 き ワキ 「なおなお。高砂の謂れ委く 御物語り候へ。」 地 それ草木心なしとは申せども花実 の時をたがえず 陽春の徳をそなへて南枝花始めて 開く シテ   しかれどもこの松は その気色とこしなへにして花葉時 をわかず 地    四つの時至りても 一千年の色雪の中に深く または松花の色十かへりともいへ り シテ   かかるたよりを松が枝の 地    言の葉草の露の玉 心を磨く種となりて シテ  生きとし生ける物ごとに


投稿者: misaoozono
プチリリ再生回数:82





日本語English

利用規約プライバシーポリシー許諾情報運営会社お問い合わせヘルプ
© 2024 SyncPower Corporation


Page
Top