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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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現代謡曲全集11_東北

アーティスト:梅若六郎 

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ワキ次第上年立ちかへる春なれや。 /\花の都に急がん。ワキ詞「これ は東国方より出でたる僧にて候。我 いまだ都を見ず候ふほどに。この春 思ひ立ち都に上り候。道行上春立 や。霞の関を今朝越えて。/\。果 はありけり武蔵野を分け暮らしつゝ 跡遠き。山また山の雲を経て。都の 空も近づくや。旅までのどけかるら ん/\。ワキ詞「さては此の梅は和 泉式部と申し候ぞや。暫く眺めばや と思ひ候。シテ詞「なう/\あれな る御僧。其梅を人に御尋ね候へば。 何と教へ参らせて候ふぞ。ワキ詞 「さん候人に尋ねて候へば。和泉式 部とこそ教へ候ひつれ。シテ詞「い やさやうには云ふべからず。梅の名 は好文木。又は鶯宿梅などとこそ申 すべけれ。知らぬ人の申せばとて用 ひ給ふべからず。此寺いまだ上東門 院の御時。和泉式部此梅を植ゑお き。軒端の梅と名づけつゝ。目がれ せず眺め給ひしとなり。かほどに妙 なる花の縁に。御経をも読誦し給は ゞ。カカル下逆縁の御利益ともなる べきなり。詞「これこそ和泉式部の 植ゑ給ひし軒端の梅にて候へ。ワキ 詞「さては和泉式部の植ゑ給ひし軒 端の梅にて候ひけるぞや。又あの方 丈は。和泉式部の御休所にて候ふ か。シテ詞「なか/\の事和泉式部 の臥処なりしを。造も替へずそのま ゝにて。カカル上今に絶えせぬ眺ぞ かし。ワキカカル上ふしぎやさても 古の。名を残しおく形見とて。シテ 上花も主を慕ふかと。年々色香もい やましに。ワキ上さもみやびたる御 気色。シテ上なほもむかしを。思ふ かと。地上年月をふるき軒端の梅の 花。古き軒端の梅の花。主を知れば 久方の。天ぎる雪のなべて世に。聞 えたる名残かや。和泉式部の花心。 ロンギ上げにや古を。聞くにつけて も思出の。春や昔の春ならぬ我が身 ひとりぞ心なき。シテ上ひとりと も。いさしら雪古事を。誰に問はま し道芝の。露の世になけれども。此 花に住むものを。地上そも此花に住 むぞとは。とぶさに散るか花鳥の。 シテ上同じ道にと帰るさの。地上先 だつあとか。シテ上花の蔭に。地下 やすらふと見えしまゝに。我こそ花 の主よとゆふぐれなゐの花の蔭に。 木がくれて見えざりき木がくれて見 えずなりにけり。中入りワキ待謡上 夜もすがら。軒端の梅の蔭に居て。 /\。花も妙なる法の道。迷はぬ月 の夜と共に。此御経を読誦する/ \。後シテ一声下あらありがたの御 経やな。あらありがたの御経やな。 上たゞいま読誦し給ふは譬喩品よな う。詞「思ひ出でたり閻浮のありさ ま。此寺いまだ上東門院の御時。御


投稿者: misaoozono
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