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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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現代謡曲全集 別巻2_江口

アーティスト:梅若六郎 

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ワキ次第上 月は昔の友ならば。/ \。世の外いづくならまし。ワキ詞 「是は諸国一見の僧にて候。我いま だ津の国天王寺に参らず候ふ程に。 此度思ひ立ち天王寺に参らばやと思 ひ候。道行上都をばまだ夕深きに旅 立ちて。/\。まだ夜深きに旅立 て。淀の川舟行末は鵜殿の芦のほの 見えし。松の煙の浪よする。江口の 里に着きにけり/\。狂言シカ% \。ワキサシ上 さてはこれなるは 江口の君の旧跡かや。痛はしや其身 は土中に埋むといへども。名はとゞ まりて今までも。昔語りの旧跡を。 今見る事のあはれさよ。詞「げにや 西行法師此処にて。一夜の宿を借り けるに。主の心なかりしかば。上 世の中を厭ふまでこそ難からめ。詞 「仮の宿を惜む君かなと詠じけん も。此処にての事なるべし。下 あ ら痛はしや候。シテ詞「なう/\あ れなる御僧。今の歌をば何と思ひよ りて口ずさみ給ひ候ふぞ。ワキ詞 「不思議やな人家も見えぬ方より も。女性一人来たりつゝ。今の詠歌 の口ずさみを。如何にと問はせ給ふ 事。そも何故に尋ね給ふぞ。シテ詞 「忘れて年を経し物を。又思ひ染む 言の葉の。カカル上 草の蔭野の露 の世を。厭ふまでこそ難からめ。仮 の宿を惜むとの。其言の葉も恥かし ければ。さのみは惜み参らせざり し。其理をも申さん為に。これまで 現れ出でたるなり。ワキ詞「心得ず 仮の宿を惜む君かなと。西行法師が 詠ぜし跡を。唯何となく弔ふ所に。 さのみは惜まざりにしと。ことわり 給ふ御身はさて。如何なる人にてま しますぞ。シテ詞「いやさればこそ 惜まぬよしの御返事を。申しゝ歌を ば何とてか。カカル上 詠じもせさ せ給はざるらん。ワキカカル上 実 に其返歌の言の葉は世を厭ふ。シテ 上 人とし聞けば仮の宿に。詞「心 とむなと思ふばかりぞ。心とむなと 捨人を。諌め申せば女の宿に。カカ ル上 とめ参らせぬも理ならずや。 ワキカカル上 実に理なり西行も仮 の宿を捨人といひ。シテ上 此方も 名におふ色好の。家にはさしも埋木 の。人知れぬ事のみ多き宿に。ワキ 上 心とむなと詠じ給ふは。シテ上 捨人を思ふ心なるを。ワキ上 唯 惜むとの。シテ上 言の葉は。地上 惜むこそ惜しまぬ仮の宿なるを。 /\。などや惜むと夕波の。返らぬ 古は今とても。捨人の世語に。心な 留め給ひそ。地ロンギ上 実にやう き世の物がたり。聞けば姿もたそが れに。かげろふ人は如何ならん。シ テ上 黄昏に。たゝずむ影はほの% \と。見え隠れなる川隈に。江口の 流の君とや見えんはづかしや。地上 さては疑あら磯の。波と消えにし 跡なれや。シテ上 仮に住み来し我 が宿の。地上 梅の立枝や見えつら ん。ワキ上 思の外に。地下 君が 来ませるや。一樹の蔭にや宿りけ ん。または一河の流の水。汲みても ろし召されよや。江口の君の幽霊ぞ と声ばかりして失せにけり声ばかり して失せにけり。中入ワキ詞「さて は江口の君の幽霊仮に現れ。我に言 葉をかはしけるぞや。カカル上 い ざ弔ひて浮めんと。待謡上 言ひも あへねば不思議やな。/\。月澄み 渡る河水に。遊女のうたふ舟遊び。 月に見えたる不思議さよ月に見えた る不思議さよ。(連吟川舟をとめて ヨリあはれなりマデ)地一声上 川舟をとめて逢瀬の波枕。/\。浮 世の夢を見習はしの。驚かぬ身のは かなさよ。佐用姫が松浦潟。かたし


投稿者: misaoozono
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