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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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現代謡曲全集24_通小町

アーティスト:観世銕之丞 

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ワキ詞「これは八瀬{やせ}の山里 {やまざと}に一夏{いちげ}を送 る僧にて候。こゝに何処{いづく} とも知らず女性一人毎日木の実妻木 {つまぎ}を持ちて来り候。今日 {けふ}も来りて候はゞ。いかなる 者ぞと名を尋ねばやと思ひ候。ツレ 次第上拾ふ妻木{つまぎ}も焚物 {たきもの}の。/\匂はぬ。袖ぞ かなしき。ツレ サシ上 これは市 原野{いちはらの}のあたりに住む 女にて候。詞「さても八瀬{やせ} の山里{やまざと}に。貴{たつ と}き人の御入{おんい}り候ふ程 に。いつも木の実妻木{つまぎ}を 持ちて参り候。・今日{けふ}もま た参らばやと思ひ候。如何に申し 候。又こそ参りて候へ。ワキ詞「い つも来れる人か。今日}は木の実の 数々{かず/\}・御物語{おんも のがた}り候へ。(独吟拾ふ木の実 はヨリ花橘の一枝マデ)ツレ上 拾ふ木の実は何々ぞ。地上 拾ふ木 の実は何々ぞ。ツレ上 古{いにし へ}見馴れし。車に似たるは嵐にも ろき・落椎{おちじひ}。地上 歌 人{かじん}の家の・木{こ}の・ 実{み}には。ツレ上 人丸{ひと まる}の・垣穂{かきほ}の柿。山 の辺の・笹栗{さゝぐり}。地上 窓の梅。ツレ上 園{その}の桃。 地上 花の名にある桜・麻{あさ} の。苧生{をふ}のうら梨なほもあ り擽{いちひ}かしひまてばしひ。 大小柑子{かんじ}金柑{きんか ん}。あはれ昔の恋しきは・花橘の 一枝花橘の一枝。ワキ詞「木{こ} の・実{み}の数々は承りぬ。さて /\御身は如何なる人ぞ名を御名の り候へ。ツレ上 恥かしや己{お の}が名を。地上恥ずかしやおのな を。小野とはいはじ。薄生ひたる市 原野辺に住む姥{うば}ぞ。跡とひ 給へ御僧とてかき消すやうに失せに けりかき消すやうに失せにけり。ワ キ詞「かゝる不思議なる事こそ候は ね。唯今の女の名を委しく尋ねて候 へば。をのとはいはじ薄生ひたる。 市原野に住む姥と申しかき消すやう に失せて候。こゝに思ひ合はする事 の候。或る人市原野を通りしに。薄 一村生ひたる蔭よりも。下秋風{あ きかぜ}の吹くにつけてもあなめあ なめ。詞「小野とはいはじ薄生ひけ りとあり。これ小野の小町の歌な り。さては疑ふ所もなく唯今の女 性}は。小野の小町の幽霊と思ひ候 ふ程に。かの市原野{いちはらの} に行き。小町の跡を・弔{とぶら} はゞやと思ひ候。待謡上 この草庵 を立ち出でて。/\。なほ草深く露 しげき市原野辺に尋ね行き。座具を 展べ香を焼{た}き。下 南無幽霊 成等正覚。出離生死頓生菩提。ツレ 一声上 うれしの御僧の弔{とぶら ひ}やな。同じくは戒授け給へ御僧 {おそう}。シテ上 いや叶ふまじ 戒授け給はゞ。恨み申すべしはや。 帰り給へ。御僧達。(独吟なほもそ の身はヨリ深草の少将マデ)地上 なほもその身は迷ふとも。/\。戒 力に引かれば。などか仏道}ならざ らん・唯{たゞ}。共に・戒{か い}を受け給へ。ツレ上 人の心は 白雲{しらくも}の。我は曇らじ心 の月。出でて御僧に弔はれんと薄 {すゝき}おし分け出でければ。シ テ上 包めど我も穂に出でて。/ \。尾花{おばな}招かば留{と} まれかし。地上 思は山のかせきに


投稿者: misaoozono
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