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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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現代謡曲全集32_橋弁慶

アーティスト:観世銕之丞 

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シテ詞「これは西塔の傍に住む武蔵 坊弁慶にて候。われ宿願の子細あつ て。五条の天神へ。丑の時詣を仕り 候。今日満参にて候ふ程に。唯今参 らばやと存じ候。いかに誰かある。 ツレ「御前に候。シテ「五条の天神 へ参らうずるにてあるぞ。その分心 得候へ。ツレ「畏つて候。又申すべ き事の候。昨日五条の橋を通り候ふ 所に。十二三ばかりなる幼き者。小 太刀にて斬つて廻り候ふは。さなが ら蝶鳥{てふとり}の如くなる由申 し候。先々今夜の御物詣は。思し召 し御止まりあれかしと存じ候。シテ 「言語道断の事を申す者かな。たと へば天魔鬼神なりとも。大勢には適 ふまじ。おつとり込めて討たざりけ るぞ。ツレ「おつとりこむれば不思 議にはづれ。敵{かたき}を手元に 寄せ付けず候。シテ「たとい敵をよ せつけずとも。隙間あらさず切つて かからば。終には討たでかのうま じ。ツレ「おつとりこむれば地にち がい。シテ「おつとりこむれば。ツ レ「おつ払う。シテ間近く寄れば。 ツレ目にも。シテツレ見えず。地 「神変{じんべん}奇特不思議な る。神変奇特不思議なる。化生{け しやう}の者に寄せ合はせ。かしこ う御身討たすらん。都広しと申せど も。これ程の者あらじ。げに奇特な る者かな。シテ詞「さあらば今夜は 思ひ止まらうずるにてあるぞ。ツレ 「もっともにて候。シテ詞「いや弁 慶ほどの者の。聞き遁げしてはかほ うまじ。今夜夜更けば橋に行き。化 生の者を平らげんと。地歌「夕程な く暮方の。夕程なく暮方の。雲の気 色も引きかへて。風すさまじく更く る夜を。遅しとこそは待ち居たれ。 遅しとこそは待ち居たれ。(中入早 鼓間)子方「さても牛若は母の仰の 重ければ。詞「明けなぱ寺へのぼる べし。今宵ばかりの名残ぞと。川波 添へて立ち待ちに。月の光を待つべ しと。地歌「夕波の。行方はいずく 夜嵐の。声澄み渡る秋の暮れ。地歌 「面白の気色やな。面白の気色や な。そゞろ浮き立つわが心。波も玉 散る白露の。夕顔の花の色。五条の 橋の橋板を。とゞろとゞろと踏み鳴 らし。風すさまじく更くる夜に。通 る人をぞ待ち居たる。通る人をぞ待 ち居たる。後シテ詞「すでに夜を待 つ時も来て。山塔の鐘もすぎまの月 の。着たる鎧は黒革の。をどしにを どせる大鎧。草摺長に着なしつゝ。 もとより好む大薙刀。真中{まんな か}取つて打ちかつぎ。ゆらり/\ と出でたる有様。シテいかなる天魔 鬼神なりとも。面{おもて}を向く べきやうあらじと。我が身ながらも


投稿者: misaoozono
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