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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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現代謡曲全集42_砧

アーティスト:梅若六郎 

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シテサシ上 それ鴛鴦の衾の下に は。立ち去る思を悲しみ。比目の枕 の上には波を隔つる愁あり。まして や深き妹脊の中。同じ世をだに忍ぶ 草。われは忘れぬ音を泣きて。袖に 余れる涙の雨の。晴間稀なる心か な。ツレ詞「いかに申し候。夕霧が 参りて候。シテ詞「何夕霧と申す か。恨めしながらめづらしや、人こ そかわり果て給うとも。風の行方の 便にも。などや音信なかりけるぞ。 ツレ上 さん候とくにも参りたくは 候ひつれども。御宮づかひの隙もな くて。心より外に三年まで。都にこ そは候ひしか。シテ上 何都住まひ を心の外とや。思ひやれげには都の 花盛。慰多きをり/\にだに。憂き は心の習ぞかし。地下 鄙の住まひ に秋の暮。人目も草も枯れ%\の。 契も絶えはてぬ何を頼まん身のゆく へ。上 三とせの秋の夢ならば。/ \。憂きはそのまゝ覚めもせで。お もひでは身に残り昔は変り跡もな し。げにや偽の。なき世なりせばい かばかり。人の言の葉嬉しからん。 愚の心やな愚なりける頼のみかな。 シテ詞「あら不思議や。あなたに当 つて物音の聞え候。あれは何にて候 ふぞ。ツレ詞「さん候あれは里人の 砧打つ音にて候。シテ詞「げにや我 が身の憂きまゝに。たとうまじき事 まで思ひ出でられ候ふぞや。唐土に 蘇武といひし者。胡国とやらんに移 されしに。古里に留め置きし妻や子 の。高楼に登つて砧をうつ。志の末 通りけるか。万里の外なる蘇武が旅 寝に。古里の砧聞えしとなり。下 わらはも思や慰むと。とても寂しき 呉服あやの衣を砧にうちて。下 二 心を慰まばやと思ひ候。ツレ詞「仰 せはさる事なれども。砧などと申す ものは。賎しき者の業にてこそ候へ さりながら。御心慰めんためにて候 はゞ。砧を用意して参らせ候ふべ し。シテカカル上 いざ/\砧うた んとて。馴れて臥ゐの床の上。ツレ 上 涙かたしくさむろうに。シテ上 思をのぶる便ぞと。ツレ上 夕霧 立ちより主従ともに。シテ上 怨の 砧うつとかや。地次第上 衣に落つ る松の声。衣に落ちて松の声夜寒を 風や知らすらん。シテ上 音信の。 稀なる中の秋風に。地上 憂きを知 らする。夕かな。シテ上 遠里人も 眺むらん。地上 誰が世と月は。よ も問はじ。シテサシ上 面白のをり からや。頃しも秋の夕つ方。シテツ レ上 牡鹿の声も心凄く。見ぬ山里 を送り来て。梢はいづれ一葉散る。 空すまじき月影の軒の忍にうつろひ て。露の玉簾かゝる身の。思をのぶ る。夜すがらかな。シテ上 宮漏高 く立ちて。風北にめぐり。隣砧緩


投稿者: misaoozono
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