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歌詞投稿コミュニティ「プチリリ」

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HARD

アーティスト:次郎(仮名)  アルバム:再生  作詞:次郎(仮名)  作曲:次郎(仮名)  発売年:2022 

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「若い人のあいだで流行っているんですよ」 話題の新曲か何かを教える様な いかにも 所詮は他人 事の心療内科医。 もう 処方箋代わりだ、とイカレた詩を書きたい。 世間など知りようないガキどものデモCDの中にこそ真 理を垣間見る。 思慮深いかに見せ掛け、でも俯瞰視点で尻を掻いたり してるだけ。 “他人事”なのは俺の方。 僅か胸三寸。つい口を突いた愚痴。たった一言。後は 止め処も無く溢れ出す。 アルバムで歌う筈だった名フレーズの数々が暮れなず む町、人の目に触れず消え失せる。 地平線に溶けるノスタルジー。 ある晩 ふと、もしや帰る場所があるから 迷うのか …? 真夜中、布団越しに「チッ、ったく」 時計の舌打ちが、小さくも静寂を切り裂く。 眩暈・頭痛。壁が迫り来る。下手に すぐ寝たいと思 うほど眠れない。 ずっと ここじゃないどこか 別世界を願いつつ寝返り 打つ。 ネガティヴがへばり付く駄目駄目な自分。 孤独とルームシェアする部屋に住む このシュール= レアリスム。 歳を重ね、時の流れから一人取り残され、 交信の途絶えたパラレルワールドにて唱えるモシモタ ラレバ。 寒空なのに ぼやける星を眺めた。 田舎町。誰も俺を知らぬ土地。都落ち。 際どい日雇いで食い繋ぐフリーとは縁遠いフリー ター。 一体なぜここに? やせ細り、消費期限の疾うに切れたコンビニ弁当にさ さくれた割り箸を突き立てる。 通り一遍の人生。 前に足を踏み出せず、脇道をちんたら歩ってる。 こんな日々に意味もちったあ有るって? 「もう生きてくのも正直面倒い」? なら、いっそ死んだら? 敢えてニコチンタールで可視化する溜息は煙たい。 勘繰り自己嫌悪に陥る。夜な夜な地獄へ落ちる様な倦 怠感。 またケータイが唸り出す。 バリ3でも圏外か。 塞ぎ込んで滅入る俺に「返信不要」で結んでるメー ル。 不在着信 数十件。留守電に吹き込まれた、懐かしい 昔馴染みからの安否確認。 己の不甲斐なさに涙ぐみ、 夜半過ぎ、裸足で真冬のベランダへ出たんだ。 汗ばんだ手で欄干を握り締める。 片足を掛け、瞬間、生き死にをギリギリで行き来し て、選んだコチラ側。 我ながら何故だか分からないが、落ちなかった。 冷たさがひしひしと身に染みてきて「何してんだ、俺 は?」 噛み締める。 例えば、さっき聞いた留守録の寂し気な声。 「なあ、自殺したりしやがったら お前ぶっ殺すから な」 腐り果てた俺が俺の面を張り、揺り起こす体。 さながら粗忽長屋。 そのまま棄てた精神安定剤。 結局、自分より手強い敵なんていない。 数カ月後。連絡受け 新幹線に飛び乗ってすぐ駆けつ けるも、 末期癌、ターミナルケア。 骨と皮になっちまったばあちゃん。 棒立ちで無言の俺に、ふっと微笑み。 「あら痩せた?ちゃんと食べてる?」ってギャグか よ? 逆だろうが。笑いながら泣けてくる。 「久しぶり。あんたにもう会えんと思ってたら最後、 お陰さんでまた会えたわぁ。 癌細胞に感謝せにゃならんね...」 あれから間もなく ばあちゃんは息を引き取ったけれ


投稿者: TuneCore Japan
プチリリ再生回数:7





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